餅「そろそろ俺らの季節だな」
静かなる凶器
この時期、救急医として特に注意喚起したいのが「餅」です。2011年1月4日のウォール・ストリート・ジャーナルでは、「Mochi: New Year’s Silent Killer」という見出しで紹介されました。国内外で注目を浴び、啓発もなされているものの、近年多くの犠牲者を出しています。
年齢とともに嚥下機能が低下して誤嚥しやすくなることはよく知られており、実際に誤嚥性肺炎も50歳を皮切りに加齢と共に増加していきます。食物の誤嚥は、咀嚼能力の低下、嚥下能力の低下、喀出能力の低下など、さまざまな原因が絡み合って起こると考えられています。
ただ、餅に関しては通常の誤嚥とは状況が異なります。餅は火を入れると柔らかくなりますが、口腔内に入れたり、入れる前に冷ましたりということをして体温に近くなると再度硬くなる性質があります。
口の中で性質が変化して粘性を高めるので、他の食べ物よりも危険性が高くなるのです。したがって、飲み込みやすい様に小さくすれば良いかといえばそうでもないのが難しいところです。
そして、餅による窒息が高齢者特有のものかと言ったら、そういうわけではありません。個人的に経験した中で最も若い餅による誤嚥窒息は40歳でした。一時は心停止にまで陥りましたが、幸運なことになんとか独歩退院されました。
以下ソース
https://news.yahoo.co.jp/byline/yakushijihiromasa/20201221-00213741/
Source: おいしいお
餅「そろそろ俺らの季節だな」