熊本のアサリ業者「表記を『中国産』に変えたら、注文が全然来なくなった…」
「(疑惑が浮上後)問屋から伝票を『熊本県産』から『中国産』に変えるように連絡が来た」と明かした。スーパーや小売店が売り場からアサリを撤去する動きも相次ぎ、業者への注文はぱたりと止まった。「中国産には注文が来なくなるのではないか」と不安を口にした。
この業者は卸売市場を通さずに県内の問屋からアサリを仕入れ、砂抜きや選別をした上で、県内全域の仲卸業者や小売店に販売している。
アサリのみを扱い、問屋からの伝票に記された「熊本県産」の表記を信頼してきたと強調した。
しかし、蒲島郁夫知事が「県産アサリ緊急出荷停止宣言」を発出した1日、問屋から、アサリの産地表示を中国産に変えるように連絡を受けた。
問屋から来る伝票の表記も中国産に変わっていた。「変更のはっきりとした理由は教えてもらえなかった。とにかく販売先への連絡に追われた」。
問屋より前の流通経路については「実態は分からない」と繰り返した。
県産アサリの漁獲量は1977年の約6万5700トンをピークに減少。近年は年間数百トン程度で推移している。県内でアサリが採れていないとの認識は業者にもあり、「輸入物を県内で長く成育したものだろうと思っていた」と主張した。
出荷停止の対象は漁協などが県内で漁獲した県産アサリのみだが、輸入品も含めて県内での扱いが止まると誤解する小売店もあるという。
中国産と表記すれば通常通り販売できるが「アサリを引き受けてもらえなくなった」。
業者は「中国産だからといって味や品質は変わらない。このまま注文が来なければ死活問題だ」と話した。(中尾有希、中原功一朗)
Source: おいしいお
熊本のアサリ業者「表記を『中国産』に変えたら、注文が全然来なくなった…」