世間が知らない「車内で飲酒するトラックドライバーを全否定できない事情」
千葉県八街市で起きた、幼い子どもの命が奪われる痛ましい事故。
まだトラックドライバーによる飲酒運転が報じられる前、見通しのいい直線道路がスマホ画面に映し出された時、「これは何かある」と直感的に悟った。
これまでの報道によると、容疑者の呼気から基準値を超えるアルコールを検出。同容疑者は「事故前にコンビニで酒を買い、車内で飲んだ」と供述しており、車内からは焼酎の空き容器が見つかったという。
酒気帯びの状態でハンドルを握っていた同容疑者には、釈明の余地は微塵もない。危険運転致死傷罪の適用も視野に、徹底的に調査すべきだ。
しかし、誤解を恐れず述べると、筆者はトラックドライバーによる「車内飲酒」そのものを「悪」だと思っていない。現状、トラックドライバーの車内飲酒は、ある程度認められるべきだと思っている。
そう思う裏側には、世間が知らないトラックドライバーたちの複雑な事情がある。
詳しく説明していこう。
夜中の高速道路を走るトラック(筆者撮影)
車内飲酒を全否定できない理由
車内飲酒においては、同事故後、トラックドライバーたちを多く取材する筆者の元にも
「トラックドライバーが車内で酒飲んでたぞ」
「トラックから降りてきたドライバーがコンビニで酒買ってましたが、いいんですか?」
といったメッセージがいくつか届いた。
一部メディアでも、「車内飲酒」自体を問題視する報道がいくつか見られた。
しかし先述通り、筆者は現状、トラックドライバーによる車内飲酒を全否定していない。
その理由は、ある人たちの存在にある。
「長距離トラックドライバー」だ。
国内を走るトラックには「白ナンバー」と「緑ナンバー」があること、それらにどんな違いがあるかなどは、これまで多くのメディアが報じてきた通りだ。
今回事故を起こしたのは、自社製品を運ぶ「白ナンバー」のトラックだったが、片や日本には現在、運ぶことを生業としている「緑ナンバー」のトラックたちが、地場配送から長距離輸送までを担い日本の物流を下支えしている。
「白ナンバー」や地場配送のトラックドライバーは、走るエリアが比較的狭いため、出庫から帰庫までが1日で収まることがほとんどだ。
一方、長距離トラックドライバーの場合はわけが違う。
彼らのほとんどはその日のうちに家に帰れないことが常で、1運行(出庫から帰庫まで)に掛かる日数は「数日」から、長い時で「1週間」にもなるのだ。
とはいえ、当然彼らも24時間休みなしで運転しているわけではない。我々と同じように、終業時間がくれば業務から解放され、翌日の始業まで自由な時間を過ごす。
この時間に、彼らは車内で飲酒することがあるのだ。
続きはソース
https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotoaiki/20210709-00246886/
Source: おいしいお
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