【悲報】ラーメン店「締めの1杯来なくなる」 終電繰り上げに悲鳴
「影響は間違いなく出ると思う。街全体で(お客さんの)引きが早くなるのでは」。JR上野駅(東京都台東区)近くにあるホルモン焼き店の男性店主(63)は、こう漏らす。
新型コロナの感染拡大で、客足は昨年と比べて3割ほどしか戻っていない。「アルバイトの従業員にも生活がある。(終電が繰り上がっても)30分でも長く雇ってあげたい」とするが、コロナ禍で飲み会を自粛する企業が今も多いことに触れ、「そうした人たちが早く戻ってきてくれないと、どうしようもない」と肩を落とした。
多くの会社員らが行き交う新橋駅(港区)近くのラーメン店「博多天神2号店」の店舗責任者、江本行雄さん(66)も逆風になりかねないと懸念する。以前は午前0時過ぎにも「締めの一杯」を求める男性客が多く訪れていたが、「今は午後11時以降はパタリと客足が止まる」。現在は7割程度にまで回復しているが、「このままでは、コロナ前に戻るのは無理かもしれない」と気をもむ。
「むしろプラスに働く」の声も
一方、新橋駅近くで待機していたタクシー運転手の男性(65)は「(繰り上げは)われわれの業界にとっては好影響なのでは」と期待を寄せた。終電を逃したタクシー利用客が増えるのではないかとの胸算用からだ。
同様に、終電の繰り上げを前向きにとらえる店舗もある。上野駅のガード下で焼肉や串カツなどを提供する「オクヨシ精肉所」は、朝5時まで営業。これまでも終電後にまだ飲み足りない客を受け入れてきたといい、店員の小池弘樹さん(32)は「終電繰り上げで早めに帰ってしまうお客さんもいるだろうが、終電を逃したお客さんは増えると考えると、店にとってはうれしい」と話した。
JRが終電を繰り上げれば、接続する私鉄の終電時間も早まることもありうる。横浜市内から相模鉄道線(相鉄線)とJRを乗り継いで東京都心に通勤している男性公務員(33)は、「これまでのように終電に合わせて勤務を終えるのではなく、働き方を抜本的に見直すきっかけになると思う」と語った。
上野周辺などで月に1、2回、仕事帰りに終電間際まで飲むという千葉県市川市の会社員の森海渡さん(25)からは「遅くまで飲めなくなるのは残念。街に活気がなくなってしまう」との声も聞かれた。
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コロナ禍で浸透した、外食を避ける食事スタイルが、JR東日本の最終列車の発車時刻繰り上げで、さらに加速する可能性が出てきた。駅前などに店舗を構える居酒屋やレストラン業界では生き残りをかけて、メニューの宅配や店の衣替えなどの取り組みを推進している。
「(夜遅くに始まる)2次会需要はまだ戻っていない。大人数の宴会も元に戻るにはしばらくかかる」。
居酒屋「塚田農場」などを展開するエー・ピーホールディングス(HD)の米山久社長は苦境が続く現状についてこう話す。
同社は居酒屋などで提供しているメニューを家庭向けに宅配する「キッチンクラウド」事業を本格展開させる。選べるメニューは100種類程度と幅広く、調理場から直接配送するのが売り。新事業でコロナ禍や終電繰り上げの逆風に対応しようとしている。
一方、すかいらーくHDは今月中旬より「ガスト」既存店にから揚げ専門店「から好し」を併設させており、すでに約100店が衣替え。持ち帰りや宅配も両ブランドで対応するという。セブン&アイ・フードシステムズの「デニーズ」は宅配と持ち帰り強化のため、座席なしの宅配・持ち帰り専門店を開業した。
産経新聞 2020.10.21 20:15ライフくらし
https://www.sankei.com/life/news/201021/lif2010210038-n1.html
深夜のラーメンは悪そのもの。
Source: メシニュース
【悲報】ラーメン店「締めの1杯来なくなる」 終電繰り上げに悲鳴