横浜家系ラーメンのご飯無料サービス お店側の本音は?
横浜家系ラーメンの店では、一体なぜご飯を無料提供しているのだろうか。実施店舗を訪ね聞いてみた。
◆横浜家系ラーメンには、なぜご飯が無料で付くのか?
相鉄線の和田町駅下車後、南口の商店街を抜け国道16号沿いに出ると、「八家」と書かれた赤い看板が目に飛び込んできた。ラーメンを極め32年の庭山哲店長(67)の経歴を紹介するポスターが、店の入り口に貼られている。家系ラーメン発祥の店「吉村家」で11年厨房に立ち、元祖の味を受け継ぐ1人だ。
チャーシュー麺(850円)を注文すると、サービスの半ライス(130グラム)が付いてきた。麺をすすりながら、広報で息子の道開さん(23)からオススメの食べ方を聞く。スープ、胡椒、ピリ辛調味料、ごまを和えた「まぜご飯」を勧められた。実践してみると、箸が止まらない。分厚く切られたチャーシューとスープに浸した海苔も米に乗せてみる。これまた旨い。一心不乱に白飯をかきこんだ。
◆八家:苦学生を腹一杯にさせたい
開業当初から、終日半ライスの提供を続けている八家。周辺には横浜国立大学があるため、店のメインターゲットは学生だ。「苦学生にお腹一杯食べさせたい」との一心で、学生ラーメンは580円から提供している。学ラン姿で来店した地元の男子中学生は「給食だけでは足りないので、お腹が空くとよく来る」。多い時は週に3、4回訪れるといい「チャーシューに(すり下ろした)ニンニクを付け、スープを浸したご飯と食べるのが大好き」とお気に入りの食べ方も教えてくれた。
「ラーメン&ライスは至極の組み合わせ。お客様が求めるなら、提供するのが店の考え方です」(道開さん)
とはいえ、店長の哲さんは半ライスを付けることは賛成でも、食べ放題など発展させるのには消極的だ。「ライスがラーメンのおかずになっている。味そのものを楽しむのなら、今の量で十分」と考えている。
◆吉祥寺武蔵家:こだわりの米、売り上げ増に
「ラーメンを頼む2人に1人は、ライスも注文してくれる。ウチにとっては、売り上げ増の要因にもなっている」と吉祥寺駅近くにある「吉祥寺武蔵家」副店長の上村大輔さん(42)。100円で実施するご飯食べ放題が、客単価の上昇につながっていると分析する。
白米へのこだわりは強く、青森県産「まっしぐら」と「つがるロマン」を仕入れている。1日に使う量は30キロ近く。最大4キロ保温可能な炊飯器は、昼時にはわずか30分ほどでなくなってしまうこともある。セルフサービス形式で、3、4杯おかわりする客も少なくないからだ。
おいしいライスの食べ方をレクチャーするPOPも作った。スープに浸した「キャベチャー(キャベツとチャーシュー)」をご飯と一緒に食べる方法などを紹介する。
有料のトッピングだが、オススメされたら試してみたくなる。注文が相次ぎ、客単価の上昇につながっている。
◆志田家:過剰なサービスは「自爆行為」
サービスを追求する他店に追随し、ライスの無料提供を強いられているラーメン店もある。JR京浜東北線の蒲田駅東口から徒歩3分の所にある「志田家」を訪ねた。オーナーの志田健さん(37)は「中長期的に見た時、過剰なサービスを追求する動きは、自分たちの首を絞めるのでは」と懸念する。
志田さんによると、蒲田駅周辺には100店舗近くのラーメン店が並ぶ激戦区。志田家の道路を挟んだ向かい側には、フランチャイズの家系ラーメン店がある。ご飯食べ放題や替え玉10円などのサービスにどう対抗するか。採算度外視で、ランチタイムのライス無料提供を始めて3年余。サービス導入で月々にかかる実際の米代に加え、本来頼むはずだったラーメンやトッピングの注文が抑制されたと分析。「年間にすると、100万円くらい損失している」と嘆く。
ラーメンの味で勝負したいと思い、ランチの無料提供を見直したいと思ったこともある。他店に客が流れてしまうのではとの不安も募り、蒲田の店で営業する間は当面、現状のままにする予定だ。
「ライスは家系を楽しむ要素の一つだが、必須条件ではない。味さえ良ければ、客は必ず付いてくる」(志田さん)
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それ、ラーメン屋に言われたことあるわ
白飯ならジャーからそのまま出すだけでいいからな
Source: メシニュース
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