高齢者「近くのスーパーがセルフレジを導入した。何だか放り出されたような気持ちになった」
セルフレジ 茨城県つくば市・中嶌弘子(主婦・72歳)
近くのスーパーがセルフレジを導入した。今まで店員さんが入力していたバーコードを自分で入力、支払いをする。何だか放り出されたような気持ちになっていた。
ある日、懇意にしている建築屋さんが来て、「近くのホームセンターのレジがセルフレジになって、もう買いにいけない」と言う。夫も「そうなんだよ。みんなセルフレジになって買い物に行けなくなった」と嘆いた。
その気になればできないことではないが、やりたくない気持ちが先にきてしまうのだろう。過疎地でもないのに「買い物難民」化している人が、結構いるような気がしてならない。
少し前の商店はお客が来たら「いらっしゃいませ」と声をかけ、品物を渡しながら「ありがとうございました」と言っていた。
それは物を売る側の最低限のあいさつだったと思うが、セルフレジは「お支払い方法を選択してください」「金額をご確認のうえカードを入れてください」「レシートをお受け取りください」と必要なことしか言わない。何とも味気ない。
人はコミュニケーションにより育っていく部分があると思っている。子供のころ、近所の商店街のおじさんやおばさんに教えられたことがたくさんあった。
戻れる世界ではないことは分かっているが、セルフレジには、店側の誠意や感謝を感じることがない。
人の心の荒廃がこんなつまらないことから進んでいかなければいい、と思うのは、ただの杞憂(きゆう)なのだろうか。
Source: おいしいお
高齢者「近くのスーパーがセルフレジを導入した。何だか放り出されたような気持ちになった」