ラーメン大賞2連覇の湯河原「飯田商店」味の秘密
神奈川県南西部にある湯河原温泉で有名な湯河原町に、大行列を成しているラーメン店がある。「らぁ麺屋 飯田商店」だ。湯河原駅から徒歩9分の住宅街の中にあるお店だ。
今年秋にはラーメン業界で最高権威とも言われるランキング本「TRYラーメン大賞」(講談社)で2連覇を果たす。食べログの平均点は3.99点、全国のラーメン店51099軒のうち全国6位、神奈川県1位(2018年12月21日現在) となっている。
「飯田商店」の出すメニューは、スープ、具材、自家製麺の仕込みのほか、タレ、麺、スープ、盛り付けなど ラーメンを作る工程すべてを飯田さん一人で行う。従業員はもちろんいるが、ラーメン作りに関しては飯田さんがお客さん一人ひとりの一杯に徹底的に向き合う。
それほどこだわるラーメンなので、仕込みも自ずと大変になる。そういった事情もあってか、「飯田商店」の営業時間は午前11時~午後3時までとたった4時間。行列が長くなりすぎた場合は午後3時前でも並べなくなることもある。1日のお客さんは200人程度が限界だ。行列が長くなりすぎると近隣に迷惑がかかるということで、整理券制を導入しているが、整理券を取るための順番争いも発生しており、その人気は留まるところを知らない。
なぜ、「飯田商店」はここまで人気になったのか。その理由は店主・飯田将太さんのラーメンに向き合う姿勢や人柄ににじみ出ている。
もともと、実家は湯河原で水産加工会社を営んでいた。その名も「飯田商店」。後に飯田さんが自分のお店に付ける名前である。
20代前半、和食の料理人を目指していた飯田さんは東京のお店で修業をしていた。だが、実家の「飯田商店」に1億円以上の負債があることを知り、湯河原に戻らざるを得なくなる。修業する前に借金を返済しようと、叔父が経営するラーメンチェーン「ガキ大将ラーメン」湯河原店のFCオーナーとして契約することになる。これが飯田さんとラーメンの出会いである。
ラーメンの修業はしたことがなかったが、FCということもあり、味づくりに特に問題は発生しなかった。スープや麺、具材などはセントラルキッチンや工場から配送され、店長の仕事は売り上げを作ること。それだけだった。
売り上げが徐々に上がっていく中で、飯田さんは「自分のラーメンを作りたい」と思うようになる。研究のために休みの時間を使って各地のラーメンを食べ歩く日々。
その中で衝撃の一杯に出会う。“ラーメンの鬼”と呼ばれた故・佐野実さんの「支那そばや」のラーメンだ。スープももちろんだが、とにかく麺の美味しさに驚愕したという。
自分には麺の知識が圧倒的に足りないと思った飯田さんは、知り合いから製麺機を譲ってもらい、自家製麺の勉強をスタートする。「支那そばや」に何度も通うと同時に、佐野さんの弟子や「支那そばや」に影響を受けたラーメンも食べ歩くようになる。
そうして出会ったのが神奈川・相模原の「69’N’ ROLL ONE」(現在は兵庫県・尼崎市の「ロックンビリーS1」)の店主・嶋崎順一さんだ。このお店の出している鶏と水だけで作ったスープが自慢の「2号ラーメン」に衝撃を受ける。鶏清湯のラーメンが今ミシュランガイドなどで高く評価されているが、その火付け役はこの「69’N’ ROLL ONE」と言っていい。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181221-00000056-sasahi-life&p=2
12/23(日) 12:00配信
お店に訪れると毎回「2号ラーメン」を3杯注文し、徹底的にその味を舌に覚えさせた。
何度も通う飯田さんの姿を見て、その熱に負けたのか、ある日、店主の嶋崎さんはなんと「2号ラーメン」のレシピを伝授する。
「レシピを教えてもらったらもうやるしかない」と心に決めた飯田さん。
2010年3月に、実家「飯田商店」の倉庫があった場所に「らぁ麺屋 飯田商店」をオープンした。32歳のときだった。
国産小麦数種類をブレンドし、沖縄の塩「ぬちまーす」を加えた自家製麺を使用。麺へのこだわりは一級品だ。スープは鶏と水のみ。比内地鶏、名古屋コーチン、山水地鶏という最高級の鶏を厳選し、さらに選び抜いた生醤油ダレを合わせ、その上に黄金の鶏油をかける。人気メニュー「醤油らぁ麺」(850円)はとにかく絶品。余計なものは一切なく、鶏を前面に押し出し、一口すすればこれでもかと旨味が押し寄せてくる。
ラーメンに対するひたむきな姿が評価され、今では「飯田商店」のラーメンを食べるために湯河原を訪れる観光客も増えている。湯河原の温泉宿に泊まり、翌朝「飯田商店」の整理券を取って、宿でゆっくりしてからお昼にラーメンを食べるというのがラーメンファンではお決まりのコースになっているほどだ。これほど人気になっても、東京に進出するつもりはないという。父親が遺してくれたこの場所を大切にしたいからだ。
「Due Italian」の石塚さんは「飯田商店」への尊敬を隠さない。
「あの歳でこだわりを貫き通して、あのラーメンを作り出した偉業。彼の人柄と真面目さが『飯田商店』をここまでのお店にしたんだと思います。彼は自分のイメージの中で佐野さんたちがやってきたことをリスペクトしてラーメンに再現しています。先人への愛が詰まりまくって、逆にそれがオリジナリティーになっていますよね。100年後にも残っていそうな一杯だと私は思います」
飯田さんにとっても石塚さんは憧れの先輩だ。
「石塚シェフには初期の頃から見守って頂いています。『Due Italian』は一見、オシャレで女性でも入りやすいというお店ですが、男性の自分でもゆったりと落ち着けるお店です。メニューや内装など本当にカッコよくて自分には絶対に出来ない領域ですが、石塚シェフのお人柄なのか、行くとやさしい気持ちになれるんですよね」
佐野さんのラーメンを新たなジャンルに応用した石塚さんが評価する、飯田さんの真っすぐな一杯。同じ佐野さんを愛するラーメン店主だが、それぞれの道でラーメン界を引っ張っている。(ラーメンライター・井手隊長)
■黄金の塩らぁ麺 Due Italian(ドゥエイタリアン)
東京都千代田区九段南4-5-11 富士ビル1F
営業時間/【月~金】11:00~16:00、17:00~22:00
【土】11:00~22:00
【日】11:00~21:00
※ラストオーダーはいずれも閉店30分前
定休日/なし
■らぁ麺屋 飯田商店
神奈川県足柄下郡湯河原町土肥2-12-14
営業時間/11:00~15:00頃
※材料切れ次第終了
定休日/月曜(祝日の場合は翌日)、月に一回か二回連休の日あり
なんで?
「らめー!」
らぁめん花月とかな。
まぁ拉麵が元だから、あながち間違っていない
それ言っちゃダメ。
業界の人に狙われるから。
Source: メシニュース
ラーメン大賞2連覇の湯河原「飯田商店」味の秘密