「サンポー焼豚ラーメン」は惑わない。九州・福岡の超定番カップ麺、発売40年の歩みと”魂”
「サンポー焼豚ラーメン」
福岡や佐賀で生まれ育った人々の間には、この響きを耳にするだけで、空腹を覚える人がいるかもしれない。
1980年代に小学生だった記者。「半ドン」の土曜日に学校から駆け足で帰宅し、ひたすらこのラーメンをすすりながら、
再放送されていた米国のドラマ(おそらく「特攻野郎Aチーム」か「冒険野郎マクガイバー」)を視聴していたのが、
原風景として脳裏に焼き付いている。紅しょうがを「辛いなあ」と恐る恐る食べていた。
今年、発売から40年を迎えたサンポー食品のカップ麺「焼豚ラーメン」。今では九州の超定番カップ麺として
不動の地位を築いている。だがその道のりは、決して平たんではなかった。
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佐賀県基山町。九州自動車道からも工場を望むことができる場所に、サンポーの本社はある。
工場長の古川揚一さん(44)が見せてくれたのは、「40th」の文字が輝く現在(2018年)の製品と、過去の包装。
その中に、1996年製の品がある。もちろん食べられないが、ビンテージの“22年物”。おそらく現存する最古の「焼豚ラーメン」である。
二つを見比べると、定番商品にもかかわらず、いくつも違いがある。実はこの20年ほどの間に、焼豚ラーメンはマイナーチェンジを重ねていた。
一目見て分かるのは、その「ふた」の形状。発売時のスタイルだったプラスチック製のふたは、2000年、熱でくっつけるシール式に変更された。
密封することで食品の安全性をより高めるためだ。
そして長年の愛好者は、その商品名にも気付く。元々は「元祖」が付いた「元祖焼豚ラーメン」だった。これもふたが変更されたタイミングで改められた。
そのとき社内では、「そもそも、本当にこれは『元祖』なのか」という議論が起こったという。商品表示のそもそものあり方に立ち返る真摯さを、
サンポー食品の社員たちは持っていた。
そしてふたに掲載された調理例の写真。「1996年版」には、「2018年版」にはないゆで卵やシイタケの姿がある。古川さんは「今じゃ、あり得ないですね」と古川さん。
現在、カップ麺に表示される調理例については、実際の内容物と同様のものを使用するよう「即席めんの表示に関する公正競争規約施行規則」
が定めているの。今となっては当たり前のカロリー表示も、96年版にはない。
厳しい局面も乗り越えてきた。
国内初の狂牛病が確認された2001年、国の指導でスープなどに用いられる「牛エキス」の使用自粛が拡大。
サンポー食品も牛エキスを除きながら、味を維持する苦労を重ねた。
そして2011年の東日本大震災では、大事な具の一つだったナルトを製造する福島工場が被災。取引のめどが立たなくなり、泣く泣くコーンに差し替えた。
ナルト復活を求める声は今も少なくないという。ただ、実は硬いナルトは製造過程で袋を破ってしまう恐れがあり、コーンが現在も使われ続けている。
環境の変化に応じながら、その味の根幹を守ってきた焼豚ラーメン。「変えないために、少しずつ変わってきたんです」と古川さんは言う。
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1978年の発売当時と異なり、今はとんこつ味の即席麺は星の数ほど生産されている。それでもサンポー食品の
焼豚ラーメンファンの間で聞かれるのが「サンポーは違う。ちゃんと『臭い』」。
とんこつスープ特有の臭みは、どうやって生まれているのか。「開発者も含めて、サンポーのスタッフは九州人。
とんこつラーメンの味を分かっているというのが大きい。地元の人にしか理解できない『いい臭さ』を追求してきた」(古川さん)
その肝は、豚から採れるポークエキス。苦みや臭みなど、さまざまな特徴を持つ十数種類のエキスをサンポー流に配合して生まれる粉末スープが、
このラーメンに九州の魂を注入している。
即席麺メーカーなどでつくる「日本即席食品工業会」(東京)によると、2017年度に販売された、日本農林規格(JAS)法に基づくJASマークが付いている
即席麺は袋麺が265銘柄、カップ麺は1311銘柄に上る。
正確な数は定かではないが、業界では「年間1000種類以上の新商品が出る」と言われている。スーパーやコンビニの棚を、
各メーカーの商品が奪い合う――。勝ち残れるのはほんの一握りの「エース」だけだ。
※全文はソース参照
引用元: ・【たべもの】「サンポー焼豚ラーメン」は惑わない。九州・福岡の超定番カップ麺、発売40年の歩みと”魂”
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Source: 2ch飯ちゃんねる
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