「とんかつ屋の悲劇って知ってますか」ある外食産業の幹部が、そう言った。

「とんかつ屋の悲劇って知ってますか」
 ある外食産業の幹部が、そう言った。ここ数年、東京都内の人気とんかつ店が次々と廃業しているという話である。

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 「何十年も変わらない値段と、チェーン店ではありえない品質の高さと格安さ」などとグルメサイトでも称賛されていることが多い。

しかし、それを可能にしているのは、すでに減価償却の終わった古い設備、ローンを払い終えた自社店舗、そして年金をもらいながら夫婦で切り盛りしていることなどだ。

 ある意味、年金が経営継続への補助金のようになっているわけだ。こうした経営を続けてきた場合、いよいよ世代交代の時期になると若い現役世代にはとても生活をしていけるだけの収入を得ることができない。

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 団塊の世代が細々と経営を継続してきた事業を、次世代が継承できず、そのまま廃業していくという問題は、とんかつ屋だけに起こっている事象ではない。

 昔ながらの商店街に、昔ながらの商店があり、高齢の商店主が常連客を相手に商売を続ける。自分たちの体が動くうちは、小遣い稼ぎ程度で良いからと店を続ける。

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 老朽化した設備、長い労働時間と忙しさ、そして、低い利益率と低賃金。それをカバーする年金という名の補助金と生きがい。それで続けられてきた事業では、若い世代の生活を確保できないことは明らかだ。

 「自分の代だけ、安泰であれば良い」という考えではなく、次世代の生活の確保が可能かどうか、それこそが事業の継続に最も重要な点だ。

そのことは、商店街問題や、さらには地域活性化問題にも繋がる。「とんかつ屋の悲劇」は、一業種の経営問題だけではなく、実は非常に大きな問題を提起しているといえる。

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https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamuratomohiko/20180827-00094583/

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Source: お料理速報
「とんかつ屋の悲劇って知ってますか」ある外食産業の幹部が、そう言った。

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