激安・激旨ラーメン店『スガキヤ』、名古屋からMoMAへ
『ラーメン』320円
“名古屋人なら食べたことがない人はいない”ともいわれるのが、ラーメンチェーン『スガキヤ』。ラーメンのあとにはクリームぜんざいなどの甘味を堪能するのが名古屋人の定番だという。
「ラーメン屋と甘味屋が一緒の店というのは、全国でも珍しいのではないでしょうか」
と笑うのは、広報担当の吉田博之さん。
安さとウマさが健在
スガキヤは愛知を中心に、北は石川、東は静岡、西は兵庫まで11府県にある。ショッピングセンターのフードコートを中心に、約330店舗を展開している。看板メニュー『ラーメン』は320円と破格!
「食事としてはもちろん、おやつがわりに食べられる方も多いです。コストや人件費などを考えるとギリギリなんですが、頑張っています」
独特の白いスープは和風豚骨味。
「“名古屋なのに豚骨?”と思われるかもしれませんが、創業当時、周りのラーメン店では豚骨味を出すところが多く、それに合わせたそうです。
そして、ただの豚骨スープではなく、昆布や魚介からとっただしを合わせ、和風味にこだわりました。スープ完成まではかなり苦労したと聞いています。発売当時は30円ほど。以来、ずっと変わらぬ味です」
ほかにも具が多い『特製ラーメン』『玉子入ラーメン』、季節限定の『ざるラーメン』などなどバラエティー豊か。甘味の人気メニューは『クリームぜんざい』。『ソフトクリーム』や『かき氷』も好評だ。
名物の食器は国際展示がされるほど
そんなスガキヤの歴史は戦後すぐにさかのぼる。1946年、名古屋の中心地・栄で菅木周一前社長が『甘党の店』を開いた。その名のとおりの甘味処だったが、“食事もしたい”という客からの要望に応え、ラーメンも出すようになったのが2年後。このときに『寿がきや』と店名をチェンジした(現在はスガキヤ)。
’58年には、看板キャラの“スーちゃん”が誕生。やがて右手にラーメン、左手にはソフトクリームを持つスタイルに。さらに同年、女性はまだラーメン店に入りにくい時代だったことから“女性に奉仕”をモットーに女性専用店をオープン。かなり個性的な取り組みは好評を博し、その店舗数も拡大していったという(ただし、現在はない)。
スガキヤ名物“ラーメンフォーク”が誕生したのは’78年のこと。
「スープを飲むためのスプーンと、麺をすくうためのフォークが合体したもので、スガキヤのシンボルともいえます。前社長が考案しました」
“ウチはケチガキヤだ”と公言するほど倹約家だった前社長。毎日、大量に捨てられる割り箸に心を痛めていたことから誕生した。
2007年には年齢や障がいの有無を問わず誰もが使いやすいユニバーサルデザインに改良。製造は、同じく愛知に拠点を置くメーカーによる。そのデザイン性が高く評価され、なんとMoMA(ニューヨーク近代美術館)に展示されているというから、どえりゃあびっくり!
かつては東京に進出したこともあったが、
「現在は閉店しています。正直、東京でこの価格を維持するのは難しいんですが、チャンスがあれば再び挑戦したいと考えています」
今後は東海3県でさらに店舗数を増やしながら、全国各エリアへの出店も検討していくという。
「安くて早いのは当たり前。安くていいものを提供したい。そして、子どもからお年寄りまで、あらゆる年代のお客様に愛される店を目指しています」
※表示価格はすべて税込みです
Source: メシニュース
激安・激旨ラーメン店『スガキヤ』、名古屋からMoMAへ