「水がないならコーラを飲めばいいじゃない」 皆で1日2㍑のコーラを飲み続けた結果・・・
地球の反対側で水不足に苦しむ住民たちが、水の代わりに飲んでいるのは、凄まじい量の「コカ・コーラ」だった……。
住民の健康は冒され、企業ばかりが利益を享受する中で、人々の怒りがついに爆発。
政治的、文化的背景が複雑に絡み合い、問題解決は難航している。ニューヨーク・タイムズが詳細に報じた。
水道は週2回、「コカ・コーラ」は1日2リットル
メキシコのサン・クリストバル・デ・ラス・カサス市。
マリア・デ・カルメン・アバディアさんはメキシコでも雨の多いこの地域に住んでいるが、水道を利用できるのは2日に1度だけだ。
蛇口から滴り落ちる水は消毒の塩素がきつく、飲むことができないと彼女は言う。
同市では、飲料水がますます手に入りにくくなっている。
チアパス州の南東部、景観豊かなこの山の町では、住人たちは週に2、3回しか水道を利用することができず、多くの家庭では給水車から水を購入せざるを得ない。
そして、住民たちの多くが、地域のボトル詰め工場で製造されたコカ・コーラを飲んでいる。
ボトル入り飲料水よりも入手しやすく、価格もほぼ同じくらいだからだ。
世界でも有数の、甘味飲料の消費量が多いこの国でもチアパス州はチャンピオンである。
サン・クリストバル市街とその周囲に広がる青々とした高地の住民たちは、1日平均で2リットル以上の炭酸飲料を飲んでいるのだ。
住民の健康に及ぼす影響は破壊的である。チアパス州における糖尿病の死亡率は、2013年から2016年の間に30パーセントも増加した。
糖尿病は今や、心臓病に次いで同州の死因の2番目であり、毎年3千人以上の命が失われている。
「清涼飲料水は水よりも手に入れやすいのよ」と35歳のアバディアさんは言う。
肥満と糖尿病に苦しんでいるアバディアさんは、炭酸飲料を飲み過ぎたことを悔いていると言う。
母親の健康状態が悪化しており、父親は糖尿病の合併症で亡くなったのを目の当たりにして、自らの健康に対して恐怖を抱かずにはいられないのだ。
「目が見えなくなるか、手足を切断することになるんじゃないかと心配しているわ。本当に恐怖を抱いているの」と不安を隠せない。
Source: おいしいお
「水がないならコーラを飲めばいいじゃない」 皆で1日2㍑のコーラを飲み続けた結果・・・