【WHO】食品の「トランス脂肪酸」を2023年までに一掃…段階的な戦略を発表
世界保健機関(WHO)が、マーガリンなどに含まれる「トランス脂肪酸」を2023年までに世界の食品から一掃することを目指し、段階的な戦略を発表した。
WHOがこのほど開始したキャンペーン「リプレース」では、各国が人工のトランス脂肪酸を食品から排除し、世界的な根絶につなげるための手順を紹介している。
人工のトランス脂肪酸は、植物油を固形化する際の「水素添加」と呼ばれる製造工程で生成される。
そうした水素添加された油脂は、揚げ物やスナック、パンや焼き菓子などの製造に使われ、ショートニングやマーガリン、コーヒー用クリームなどに含まれる。
他の油脂に比べて腐りにくい一方で、悪玉LDLコレステロールを増加させたり、心疾患や脳卒中、2型糖尿病といった疾患のリスクを高めたりするなど、健康への悪影響も指摘されている。
WHOの専門家によると、特に南アジア諸国ではトランス脂肪酸の摂取量が多く、心疾患リスクが極めて高い。
一方、中南米にも摂取量が多い国があるものの、既に対策に着手しているといい、南アフリカでは法律が制定された。
リプレースのキャンペーンでは、食品供給源の見直し、健康的な油脂の利用促進、法制化、啓発活動、対策の徹底などを呼びかける。
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Source: おいしいお
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