酔っぱらい対策につかまれても「すぐ外れるネクタイ」 駅員や乗務員らに対する暴力行為が止まらない
鉄道の駅員や乗務員らに対する乗客の暴力行為が止まらない。
国土交通省によると、2016年度の被害件数は825件で、4年連続で800件を超えた。ダイヤが乱れるのを気にして泣き寝入りするケースもあり、各鉄道事業者は対応に頭を悩ませている。
◆酔客が6割
「ふざけんなよっ」。昨年2月20日夜、東急長津田駅(横浜市)の上り線ホームで、列車から降りてきた60歳代の男性客がいきなり、20歳代の駅員のこめかみを殴りつけた。客は駆けつけた警察官に連れていかれたが、駅員は全治3日間のけがを負った。この約1時間前に起きた人身事故の影響でダイヤが乱れており、腹を立てていたとみられる。客は酔っていたという。
客による暴力行為の深刻化を受け、国交省は13年度以降、全国約200の鉄道事業者に被害の報告を求めている。件数は14年度の887件から減少しつつあるが、ほぼ横ばいの状況だ。
16年度の825件のうち、被害は東京都264件、神奈川県95件、大阪府65件と、大都市に集中。客が酔っていたのは少なくとも504件(61%)に達した。
ある事業者は「通報などのために列車を止めれば何十万人に影響する恐れがある。被害が軽微だったり、ラッシュ時間帯だったりすれば、泣き寝入りするケースもある」としており、実際にはさらに多くの事案が発生しているとみられる。
◆外れやすいネクタイ
トラブルがこじれることによるダイヤへの影響などを避けようと、各事業者は対策を練っている。
東急は、乗客に胸ぐらをつかまれた時に備え、「外れやすいネクタイ」を駅員に着用させている。ワイシャツに引っかけるだけの簡単な仕組みで、引っ張ればすぐに外れる。担当者は「酔客には、やはり胸ぐらをつかまれやすい。つかまれると、応援要請などの対応に遅れが出てしまう」と話す。
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Source: お料理速報
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